車椅子生活

ロコモティブシンドロームの意味は運動器症候群

全国で5000万人と推定される「ロコモティブシンドローム」は、整形外科専門医によって提唱された運動機能障害です。
背後にあるのは主として加齢による機能低下であり、運動器官そのものの発病ですが、つきつめて考えていくと結局平均寿命が延びたことによって生じる運動器官の疲弊と言えます。
女性で平均80年生きるわけですから、その間に筋肉や関節は絶えず働き続けているわけです。
通常の機械や建築も50年も使い続ければ上場と言われる通り、人の体も長期間使い続けていればどこかでがたがくるのは当然といえば当然です。
ロコモティブシンドロームのロコモとは、機関車という意味もあります。
まさに機関車のごとく使い続けてきた運動器官が悲鳴をあげている状態と思えばいいのです。
単に作動しなくなるだけなら問題はないのですが、関節痛や骨粗鬆症による歩行困難など痛みや苦しさが伴うため引きこもりに陥りやすく、認知症や寝たきり状態を併発させてしまう事はそのまま寿命を縮める結果につながってしまうことを意味します。
本来ならもっと健やかに生きられるはずが、ロコモティブシンドロームを発症したために最後はつらい思いをして一生を終えなければならないのです。
これ以前にはメタボリックシンドロームが国民病として位置づけられていましたが、同時に併発するケースも少なくありません。
メタボリックシンドロームは、ご存知の通り体脂肪の肥大による内臓疾患です。
こちらも脳梗塞やガン・糖尿病の悪化によって、本来あるべき健康状態を維持できずに寿命を縮めてしまうとても怖い病気ですが、内臓をおかされ運動器も壊れ、全身の機能不全で寝たきりのままその後も何年も生きなければならないとしたら、これほど悲しい事はないです。
少しでも健全な形でもう少し長く運動器に働いてもらうためにも、しっかりと予防をしていくことが大切です。
自分ではなかなか気づきにくい疾患なため、病院を訪れた時には最悪の状態で入院生活を余儀なくされる人も多いです。
もし、自分で少しでも歩きにくさや筋力の低下を感じたら、早めに専門医に相談し適切な指示を受けてください。


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